精神障害の種類について
川口クリニックでは、医療法人髙仁会の一員として、その理念のもと、常に患者様の視点に立ち、エビデンスに基づいた良質な精神科医療を提供していますが、今回は精神障がいの種類ついて紹介いたします。
精神障害とは、精神疾患のため精神機能の障害が生じ、日常生活や社会参加に困難をきたしている状態のことをいいます。病状が深刻になると、判断能力や行動のコントロールが著しく低下することがあります。正しい知識が十分に普及していないこともあり、精神疾患というだけで誤解や偏見、差別の対象となりやすく、社会参加が妨げられがちです。
精神障害の種類
・統合失調症
被害妄想・幻聴・興奮・思考の脈絡の乱れ・感情の平板化・意欲や自発性が低下し閉じこもりがちになるなどの症状が見られます。思春期・青年期に発症することが多く、経過が長期にわたるため、福祉的な支援が必要となる人も少なくありません。薬物療法などで改善します。再発予防のためには服薬が有効です。
・気分障害(躁うつ病、うつ病、躁病)
うつ状態では、憂うつな気分・意欲の減退・自責的で悲観的な考えが見られ、不眠や食欲低下などの症状もあらわれます。躁状態では、爽快気分、過剰な活動性、誇大的な考え、浪費や性的逸脱などのトラブルの発生が見られます。この病気は薬物療法などで改善します。再発予防に服薬や精神療法が有効です。また、うつ状態では自殺企図に注意が必要です。
・神経症・ストレス関連障害
〈パニック障害〉
強い不安と動悸や呼吸の困難感などが突然出現します。
〈恐怖症〉
対人場面などへの恐怖感が強く生活に支障をきたします。
〈強迫性障害〉
何度も確認しないと気が済まないなど強いこだわりを持つ障害です。
〈心的外傷ストレス障害(PTSD)〉
犯罪被害などを契機として被害場面が突然思い出されたり、それを想起できる場所を回避したりしてしまいます。
・アルコールや薬物依存症
アルコールや覚せい剤などの乱用を、自分の意志だけではやめられず、身体面や社会生活に問題が生じて、周囲も大きな影響を受けます。
・認知症
脳萎縮などの明らかな脳の障害のため、記憶力や判断力が低下する状態です。被害妄想や幻視、夜間の興奮などの症状を伴う場合もあります。
・パーソナリティ障害
著しい性格の偏りによって、物事の受け取り方や対人関係の取り方、感情や衝動性のコントロールの障害が見られます。本人や周囲の人々に苦痛や困難をもたらしがちです。
対応の一例~統合失調症の方の場合を例に~
心配事を相談されたとき
・まず、本人のペースで話に耳を傾けましょう。
・相手を尊重した聞き方・話し方を心がけましょう。
・ときどき、話を具体的に整理しながら会話を進めましょう。
助言をする場合
・頭ごなしな言い方や命令口調ではなく、「○○してみてはいかがでしょうか」など、穏やかな口調で話しましょう。
・具体的かつ手短に、誤解の余地がないように伝えましょう。
・お手本や具体例を示しましょう。
対応が難しいと感じた場合
・同意を求められても、違うと思うことや分からないことは率直に伝えましょう。
・対応できる範囲を明確に伝えましょう。
・専門機関などと相談をしながら対応しましょう。
※東京都福祉保健局ホームページを参考に記載
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