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うつ病はどのような病気?

川口クリニックでは、医療法人髙仁会の一員として、その理念のもと、常に患者様の視点に立ち、エビデンスに基づいた良質な精神科医療を提供していますが、今回は代表的なうつ病がどのような病気かについて紹介いたします。

われわれの日常生活は、嬉しいときや悲しいとき、理性的なときや感情的なとき、やる気満々のときややる気が出ないとき、誰かと会いたいときや誰にも会いたくないとき等々、良かったり悪かったりしながら過ぎて行きます。

この日常生活に常についてまわるのが感情です。そして心身のあらゆる機能に自動的にまとわりつき、われわれの考え、意欲、記憶、知覚、判断、認知等に影響を与えています。

異常に感情が落ち込んだ状態は「病的抑うつ」といいますが、これは、うつ病でみられます。

うつ病を経験した者の割合は5%前後(100人いれば5人)で男性より女性の方が多いようです。思い当たる原因がなく発病することもありますが、きっかけではないかと思われる出来事がある場合もあります。

例えば、地位の昇進、定年退職、引越し等が知られています。過労に引き続き発病することも少なくありません。初めは、身体的な不調が目立ち、抑うつ気分などの精神症状が目立たない場合があります。身体的な不調としては、食欲の低下、不眠や過眠(いつまでたっても眠くて起床できない)、易疲労性、胃部不快感、頭重感、月経不順などがありますが、これらの症状は客観的所見を欠いていることが多くあります。

次第に、ゆううつ感、悲哀感、焦燥感を自覚し、慣れた何でもない動作もおっくうになってきます。口数が少なくなり動きも減少してきます。仕事の能率も低下します。さらに考えを先に進めるのにブレーキがかかったような抵抗感を抱いたり、考えが頭に浮かばない状態が起こったりします何とか頑張ろうと一人で努力しても一つの仕事に非常に長い時間がかかるようになり、悲観的になり、自分ができないせいでみんなに迷惑をかけているといった自分を責める傾向が出てくるために、自殺を考えるようになります。うつ病の症状は朝方に強く夕方に改善してくることがあり、これを日内変動と呼びます。

外来治療は、休養と薬物療法、できれば認知行動療法等の精神療法を併用するのが望ましいです。もちろん、自分と相性のいい治療者と出会うことが第一です。

1)休養
例えば、骨折で休むのとは違って、見た目は普通かもしれませんが心身は疲れ切っている病気なので、何もすることがなくボーッとしていることになってもそれでいいのです。この休養は退職や退学などの早まった決断をさせないためにも必要です。

2)薬物療法
うつ病治療では最も重要な治療となります。薬の効果は患者さん一人一人によって違うので医師はその患者さんにとって最もふさわしいと考える処方をします。そして、薬の効果が出てくるのには、ある程度時間がかかるので患者さんは処方に従ってきちんと薬を飲む必要があります。

3)精神療法
対話を通して、治療者が患者さんのこころに働きかける治療法です。うつ病では説得・支持・暗示療法、認知行動療法、対人関係療法などがあります。認知行動療法はうつ病に対する効果が証明されており、特に薬物療法で症状がある程度改善している患者さんに効果があります。

4)その他
修正型電気痙攣療法は、即効性があり、自殺のおそれのある患者さんなど緊急のときに有用であり、薬の効果が出にくい患者さんにも効果があるため外来でも行う施設が増えてきました。

※公益社団法人 日本精神科病院協会ホームページを参考に記載

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